率先垂範
「して見せる」というのは、率先垂範とか、後姿で部下を導く、というようなことを意味します。
いくら朝礼で「言って聴かせ」ても、自分はウィークデーゴルフに出かけるような上司は誰も信頼せず心服しないでしょう。「して見せる」というのは、部下との間の信頼感を高め、この人のためなら”たとえ火の中水の中でも・・・”という気持ちにさせる行為です。
ある会社に「トイレット部長」とあだ名されていた方がおりました。
その部長は、人の嫌うことは自らやるべきだ、との一大決心のもとに毎朝早くからトイレの掃除を続けたのですが、その結果は、あまり有難くないニックネームを奉られるだけに終わったのでした。
なぜか?
確かにこの部長は率先垂範したのですが、トイレの掃除を毎朝やるなどという行為は、いやしくも部長職ともあろう者が範を示すべきものではなく、こんなことは部下の自主的行動に任せ、不行き届きの点があれば注意して直させればすむことなのです。
それに気がつかなかった彼の行為は、イヤ味にこそ取られても、決して部下に感動を覚えさせるものではなかったのです。
ところが、次のような率先垂範ならどうでしょう。
今や日本一のディスカウントショップに成長したロヂャースの太田社長は、年末年始の売り出しや早朝7時からの朝市には必ず社員と同じに出勤し、率先して自らマイクを握り来店客への呼び掛けやタイムサービスの案内をしておられます。
また、夜を徹するような長時間に亘る会議にはお客さまを接待した後からでも平然として出席されます。
これらの行為は社員と苦労を共にするという理念から出るものなのですが、いずれも仕事そのものに対する率先垂範であり、これなら社員は社長の姿に輝きを見、感動を覚えるのではないでしょうか。
このような感動があってこそ部下は信頼しどこまでもついていく気になるのです。
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