2013年12月24日火曜日

大脳生理学の活用

いたずらに精神面を強調するだけでなく、合目的的なデータを活用して”こうすればこうなる”と納得づくで”やらせる”ことは、営業の世界でも充分通用し、「プロセス管理」は製造ラインだけのものではないことがご理解いただけたのではないでしょうか。

しかし、だからといって精神主義の側面を全く無視してよいかというと、決してそうではありません。人や仕事の性格によっては、驚くほどの効果を発揮することがあり、殊に短期決戦の場合には素晴らしい実効を挙げ得ることが実証されています。

企業によっては、毎朝、目一杯大きな声で社歌や社是などを唱和させている所があります。傍から見ていると、好い歳をして何て馬鹿馬鹿しいことを、と思うのですが、やっている人達は、馴れないうちは抵抗を感じたり戸惑ったりしても、やがてこれをやらないとどうもスッキリしないという感じになり、真剣に取り組むようになります


”大声を出す人は長生きする”といわれるように、歌手や僧侶などは確かに寿命が長いようです。これは、大声を出したり腹式呼吸をすると、脳波が座禅を組むのと同じような状態になって精神が安定し、それが肉体に好い影響を与えるからにほかなりません。

そして、このような状態のとき、”自分の目標は必ず実行できる”と繰り返し念じていると、知らず知らずそのようになって行くという不思議な力を人は誰でも持っています

これは大脳の旧皮質の働きなのですが、この大脳の生理を利用しようとする一つの例が上記の「大声セレモニー」であるわけです。

トップの強烈な指導力によってグングン伸びている企業というのは、何らかの方法で大脳生理学を活用し集団の力を発揮させているケースが多いものです。


その中でも松下電器グループは、一見馬鹿馬鹿しいようなセレモニーを毎朝続けながら、決して「精神主義」偏重に陥らないように併せて「合理主義」も標榜しています。

そのバランスの良さが企業を伸ばし、経営のお手本にされている所以だと思います。


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