2014年5月7日水曜日

アイパッド人気に陰り-タブレットより賢いスマホにシフト


 2010年の発売以来、アップルは2億1000万台を超えるアイパッドを販売。
スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の発売後4年間の約2倍の ペースの売れ行きだ。
こうしたタブレット人気で家電業界はデスクトップ型パソコン(PC)やノート型PCの販売減の穴埋めを図ってきたが、この市場は急速 に減速しつつある。
ブルームバーグ・ビジネスウィーク誌5月5日号が報じている。

アップルは1-3月期のアイパッド販売が前年同期比で約17%減少したと発表。
マイクロソフトはタブレット端末「サーフェス」からの収入が年末商戦の後、 約40%減少したと説明。
アマゾン・ドット・コムは売り上げの内訳を示していないが、調査会社ガートナーによれば、タブレット端末「キンドル」の市場シェ アは高まっていないという。

調査会社ストラテジー・アナリティクスによると、世界のタブレット販売は新興国での低価格モデル需要を追い風に1-3月期に19%増加したが、前年同期の83%増や12年と11年の同じ時期の2倍以上の拡大に比べれば微々たる伸びだ。

調査・コンサルティング会社アシムコの創立者ホレス・ディデュ氏は、タブレットの早期の成功は長期的に非現実的な期待を招いたと指摘。
カラーテレビや電子 レンジといったかつての人気家電製品では市場への浸透が半分に達するまではこうした販売鈍化は見られなかったが、タブレット端末は米国市場での浸透率が4 割程度にすぎない段階で販売が鈍化しており、意外な展開だと話す。
ディデュ氏はタブレットがいずれはゲーム機に近い存在になる可能性があると述べ、大きく重要な市場ではあるが、スマホと「同じような普遍性はない」と指摘 する。

アジアでは低価格タブレットは50ドル程度で販売されているが、利用できるアプリやビジネスソフトはアイパッドほどにはそろっていない。
ディデュ氏 によると、アジアの典型的なタブレットユーザーの使い方はテレビ番組や映画、音楽の視聴だという。

ベンチャーキャピタル(VC)会社アンドリーセン・ホロウィッツのアナリスト、ベネディクト・エバンス氏は、スマートフォンの画面大型化と機能拡充を受け てタブレット端末に数百ドルを払う理由は減ると予想する。
消費者はウェブサイトの閲覧やゲーム、電子メールのチェック、テレビ視聴などにアイフォーンやサ ムスン電子のスマホ「ギャラクシー」を使うことに満足しており、こうした傾向は画面が大型化する中で続く可能性が高いという。

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