小売店や飲食店などでクレジットカード決済や売り上げ記録のデータ管理に使われる「POS端末」を標的にしたサイバー攻撃が、国内で初めて確認されたこと
が7日、分かった。顧客が入力したカードの暗証番号を暗号化される前に盗み出す最新鋭ウイルスで、米国では昨年、大手スーパーの顧客情報が流出する事態に
発展。飲食店などでPOS端末が広く利用される日本への初上陸を受け、関係者はセキュリティー対策の強化を訴えている。
ウイルス対策ソフト「ウイルスバスター」を開発・販売するソフト会社、トレンドマイクロが確認した。
POS端末は国内では百貨店やコンビニエンスストア、スーパー、飲食店などのレジに設置され、年間13万台超が出荷されている。
トレンド社は今年1~3月、国内のPOS端末のウイルス調査を実施したところ、端末内で顧客が入力したクレジットカードの暗証番号を盗むウイルス数件を
検出した。暗証番号はPOS端末に入力されると瞬時に暗号化されるが、このウイルスは入力のタイミングを監視し、暗号化の直前に暗証番号を抜き取るとい
う。盗まれた情報は、攻撃者のサーバーに自動的に送信される仕組みだった。
今のところ、国内では顧客情報の流出などの被害は明らかになっていないが、同様のウイルスは欧米で急増しており、世界では今年1~5月だけで昨年1年間(22件)の9倍以上の208件が検出されている。
昨年12月には、米大手スーパーチェーン「ターゲット」のPOS端末がウイルス感染し、顧客のクレジットカードの暗証番号など約1億1千万件が流出し
た。専門家は「盗まれた暗証番号が売買されたり、クレジットカードで勝手に買い物されたりする恐れがある」と注意を呼びかけている。
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