2014年6月7日土曜日

shrturl.coで本物そっくりの偽サイトを作り放題―「2660億ドルでYC買収」の偽TC記事も

Andreessen Horowitzは2660億ドルでY Combinatorを買収していない。 このページはおそろしいほど完璧にTechCrunchのフォーマットになっているが、TechCrunchの記事ではない。第三者のジョークだ。

レイアウト、ロゴ、見出し、Facebookを利用したコメントまで、記事の本文以外、すべて本物そのままだったから多くの読者が疑いをもたなかったのも 無理はない。バイラルに大反響を呼び起こし12時間で2万5000ページビューを記録した。いったいどうやってこれほど精巧なサイト偽造ができたのだろ う? 

この偽造を可能にしたのはインターネットに存在するもっとも邪悪なツールの一つ、shrturl.coというサービスだ。

TheNextWeb.comのデザイナー、Alexander Griffioenが作ったShrtURLを使うと、インターネット上のどんなサイトでも見た目をそのままにコピーしてテキストを勝手に書き換えることが できる。スタイル、デザインは元のサイトとまったく同じだ。Facebookコメントなどのウィジェットまで本物同様に動作する(500 Startupsのファウンダー、Dave McClureまでがおもしろがってコメントしている)。

私はShrturlを試してみたが、なるほど簡単にどんなサイトでもコピーできる。iOS 8はハードウェアなしで動くというTechCrunch記事がすぐに作れた。そこでiMacを無料で提供中.という偽Appleストアや当社は Facebookを買収しましたというGoogleブログも作ってみた。

もちろんこういう記事は一見してジョークと分かる。 しかし社会を混乱させたり個人に迷惑をかけたりするような使い方はいくらでもあるだろう。現にこんな偽ツイートが現れている(John Biggs記者はヘルペスに罹っていない)。

ただしShrturlで作製されたページは48時間後に自動的に削除される。.

それでもこのサービスを悪用する可能性は無限だ。このサイトで作られるページのURLは http://shrturl.co/(characters)となるので、正当なURL短縮サービスと紛らわしい。その上サイトのデザインが本物と完璧 に同一なのだから、記事の内容が少々奇妙でも信じこんでしまう訪問者が出るのはやむを得ない。

Y Combinator買収のとんでもなく馬鹿げた記事がJordan Crook名義で書かれていたおかげで、今日は私はTwitterでさんざんな目にあった(偽記事を作ったのはこの人物。ただし、仲間内のジョークのつも りで、これほど大きな騒ぎになるとは思っていなかったようだ)。

その上、ShrturlのリンクをBit.lyでさらに短縮してしまえばいよいよもって正常なリンクに見える。謎の中の謎の中のジョークというわけだ。

昔からインターネットにジョークは付き物だった。もし「面白すぎる」話にでくわしたら―ウェブページであろうと友だちのツイートであろうと―ソースのURLをきちんとチェックすることが必要だ。そのURLがShrtURL.coだったらあなたはかつがれているのだ。

しかしGriffioenはそのうちURLをもっとうまく誤魔化す方法を考えつくかもしれない。ご用心、ご用心。

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