2014年7月11日金曜日

「会話ロボット」広がる市場 介護施設など導入、人手不足追い風

人手不足が日本経済の懸念材料となる中、介護などの現場で人とコミュニケーションをするロボットの活用が広がっている。これまでロボットは工場の組み立て 作業を行う産業用が主流だったが、人工知能(AI)などの技術開発が後押しし、サービス用のロボットが増えている。国内のロボット市場全体の規模は 2035年に6倍になるとの予測もあり、異業種も含めた開発が加速している。

 6月下旬、横浜市泉区の日帰り介護サービスセンター「ツクイ横浜中田」。富士ソフトの人型ロボット「パルロ」がソーラン節を歌ったり、落語も披露するな どして、その場にいた高齢者17人を楽しませた。最初は表情が硬かったものの、パルロが愛嬌(あいきょう)のある声で話すたびに自然と笑いが広がった。 83歳の女性は「慣れると次第に親しみがわいてきた」と笑顔で語る。

 介護サービスを展開するツクイでは、高齢者との新たなコミュニケーションをロボットが生み出す可能性があると考え、昨年から試験的に導入した。背景には、高齢者の介護施設で行うレクリエーションが現場職員の負担となっていることがある。

 新たな出し物を毎日提供できるパルロへの関心は高く、富士ソフトロボット事業部の上竹淳二課長は「今年は問い合わせが前年の5倍以上ある」と話す。

 一方、シャープは2年前にAIの「ココロエンジン」を搭載したロボット掃除機「ココロボ」を発売。ごみがたまると「苦しい」と人間のように話す機能もあり、1年間で10万台が売れた。インターネット経由で運用するクラウドと連携する機能を昨年、新たに取り入れた。

 NECもクラウドと連携した見守りロボット「パペロ プティ」を開発し、一般家庭への普及を目指す。台風の目となりそうなのがソフトバンク。来年2月に発売する「ペッパー」は、人の感情をより理解できるロボットにする考えだ。

 かつて、ソニーのペット型ロボット「AIBO(アイボ)」がブームとなったが、製造コスト面から撤退を余儀なくされた。ただ、最近ではAIの発達やクラウドとの連携でロボットが人間により近くなってきた。

 今後、さまざまな分野でロボットの活用が見込まれており、経済産業省は国内のロボット市場が35年には15年比で約6倍の9兆7080億円になると予測している。政府もロボット産業を新成長戦略に組み入れた。

 米グーグルが関連ベンチャーを相次いで買収するなどロボット分野に進出したり、強化する動きが大手企業の間で加速している。産業用で先行してきた国内 メーカーだが、家庭用では消費者のニーズに合った機能やサービスをいかに迅速に実現できるかが、国内での普及とともに海外メーカーとの競争に打ち勝つ鍵を 握りそうだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿