2014年9月4日木曜日

グノシー、500万DL突破 赤字14億円も「想定通り」


スマートフォン 向けのニュース配信アプリ「Gunosy(グノシー)」のダウンロード数が500万を突破したことが分かった。テレビCMなどの効果が上がっているとい う。運営するグノシー社が2日に発表する見込み。5月期決算で約13億円の純損失を計上し、ネットの一部では「運転資金が近く底をつくのでは」などの声が 相次いだが、同社幹部は取材に対し「全く問題ない」と話した。
(朝日新聞デジタル編集部 古田大輔)
テレビ広告攻勢で500万DLを突破
今年3月時点でダウンロード(DL)数は累計180万だったが、その後の半年で500万DL超に達した。
グノシーによると、この急成長の原動力となったのが、テレビCMだ。同社の最高財務責任者(CFO)、伊藤光茂氏は「細かい数字は言えないが、販売管理費のほとんどを広告に使った」と説明する。

同社の5月期の販管費は16億3千万円。このうち人件費やオフィス家賃が占めるのは月に2千万円程度という。広告費としては3月から始めたテレビCMに12億円、ウェブ向けに3億円ほどを投じたと見られる。

大幅な赤字となった原因はテレビCMなどを集中投下したためであり、想定内という。「広告はユーザー獲得のための投資。そこからのリターン、つまりユーザー当たりの広告収益(グノシーがアプリ内で展開する広告)が上がるまでにはタイムラグがある」(伊藤氏)。

同社は5月にKDDIと12億円の資金調達契約を結んだが、実際の出資は6月にかけて行われたため、5月期決算に反映されているのは4億円にとどまるという。残る8億円は今期の流動資産に計上されており、当面の運転資金が枯渇する心配はないという。
5月期決算の大幅赤字を不安視する声がネットの一部で相次いだことについて、伊藤氏は「うちは戦略通りに進めているが、そういう声が出るだろうと予想していた」と話した。
「広告収益は月に数億円」を実現
では、売り上げの柱になっている広告収益はどうか。
伊藤氏によると、グノシーは昨年11月から広告事業を始め、今年1月時点で売り上げは月額2千万円程度だった。春ごろから急増し、5月期決算の売上高は3億6千万円になったという。

7月中旬に同社を率いる木村新司共同最高経営責任者(CEO、当時)にインタビューした際は「売り上げは月に数億円規模」と話していた。決算期末の5月ごろには月商2億円程度まで伸びていた模様だ。

伊藤氏は「毎月の売り上げから固定費2千万円を除いた分で、広告宣伝費は十分捻出できる」「資金を追加調達する計画は今のところない」と話した。今後も国内でのユーザー獲得と海外進出を続けるという。

0 件のコメント:

コメントを投稿